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院長の臨床メモcolumn

2019.01.17

亜鉛と骨粗鬆症の薬

亜鉛は筋肉に60%、骨に30%含まれているといわれています。

亜鉛が欠乏すると骨量が低下し、骨粗鬆症が進行するといわれています。

骨粗鬆症の治療薬としてビスホスフォネート製剤が第1選択薬として使用されています。

非常によく使用され、効果も高い薬ですが、効果が乏しい時もあります。

ビスホスフォネート製剤により亜鉛が欠乏しているときに効果が減弱するという報告があります。

そのような患者様に亜鉛製剤を投与したところ、ビスホスフォネート製剤の効果が戻り、骨量が増えたようです。

亜鉛欠乏状態ではビタミンDの効果が減弱するため、骨の形成が減ってきます。

そこに、亜鉛を投与することにより、ビタミンDがよく働き、骨もよく造られ、ビスホスフォネート製剤により骨吸収も抑えらえるということになります。

透析患者さんでも亜鉛が少ない方が多く、ビスホスフォネート製剤を使用しても骨塩定量の低下が進行する場合は亜鉛を測定してもいいかもしれません。