シャント狭窄や閉塞は透析患者さんでよくみられることです。
シャントは透析患者さんの命綱であると同時に良好なシャントは良好な透析に直結するのできちんとした管理が必要になります。
シャント以上が疑われた場合、シャントエコーをし、必要に応じてシャントPTAを依頼します。ちなみに私はシャントPTAはしていません。
一番頼みづらいのは上腕に人工血管がある場合です。
当院では基本的にはじめは細い針で動脈からシャント全体を見るように造影し、治療が必要であれば静脈に治療用の管(シース)を入れてPTAを行います。
上腕のグラフトがある場合、造影するだけであれば問題ありませんが、治療が必要となった場合治療用のシースを入れるための静脈の選択肢が少なくて「刺す場所がなくて困るだろうなあ」と本当に申し訳ないと思います。
先日も上腕グラフトで人工血管のつないでいる静脈側がかなり脇に近いところで吻合していました。
脇に近ければ近いほど刺しにくいと思います。
人工血管の上から基本的にはシースは刺してはいけないものですから。
どこから刺せるんだろうと思い、かなり恐縮しながらお願いをしました。
脇からの穿刺でも距離がなくて、鎖骨下静脈の手前からアプローチされました。
特に問題なく終了し、ホッとしています。
良く刺せるなあと感心しました。
シャント音は回復し、透析も無事に行えています。
シャントPTAも簡単なものから難しいものまで様々です。
シャントの場所によって難易度が変わることは仕方ありませんが、
何とか手遅れではなくて”早めでかつ早すぎず”という状態で依頼する義務があると思います。
簡単に終了するということは患者さんにとっても術者にとってもいいことだと思います。
シャント狭窄はいつ出現するかわからないので毎回の透析で注意を図るべきです。