リオナは透析患者さんに最近使うリンを下げる薬です。
鉄剤を利用したリン吸着剤であり、ピートルとともに注目されているリン吸着剤です。
リン吸着力は高いですが、鉄ということもあって貧血にもよく効き、時にHbが急上昇することがあります。
我々もそのような経験を浴し、論文にまとめたのですが、今回、日本透析学会誌でまた新たな報告がありました。
結論からいうと
リオナ投与前と比べて、1か月後の変化で「MCVの急上昇、「RDW(MCVの標準偏差/MCV)の急上昇」を認める場合、将来的にHbが急激に上昇する可能性があるという報告です。
これは確かにそう思います。
Hb上昇は大体2-4か月後なので、それよりも早くHbが上昇する予知因子を知りたいところです。
我々の検討では貧血の有無にかかわらず、鉄欠乏状態の患者さんでHbが急上昇すると報告しました。
鉄不足の患者さんでは鉄の吸収が非常によくて、Hbが上昇しやすいという理屈にはなります。
鉄不足の患者様では1か月後確かにMCVは急上昇しています。
今回、鉄不足だけではなく、投与1か月後のMCVの状態を把握することによって将来起こり得るHbの急上昇を予知できるという報告は非常に参考になりました。