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院長の臨床メモcolumn

2011.11.12

ホスピタリティはどうやって生まれるのだろう?

先日の接遇マナー研修でホスピタリティについて触れられました。

ホスピタリティは最近よく聞く言葉ですが、意味としては”思いやり”、”優しさ”、”心からのおもてなし”ということです。

ホスピタリティマナーというのは一般的なマナーを超えた、自分自身の思いやりによって相手に対し、柔軟かつ臨機応変に対応すること。

ホテルやディズニーランドを中心にホスピタリティについての本も出版されています。

このような本が出版されてきているということは時代、世の中の人が求めていく傾向があるということです。

ホスピタリティが欠落あるいは不足しているので、取り入れていこうということだと思います。

すなわち、ホスピタリティというのは人間の常識としてはまだまだ未完成なので、それを習得し、個人あるいは組織としてさらにいいものにしていこうという現れだと思います。

医療はどうなんだろう?

“患者様”と呼ぶようになって数年。。何かが心の中で変わったのでしょうか?

賛否両論があると思います。

僕は患者様ということはホスピタリティに当てはまらないと思います。

呼び方の変更で満足している人はいないと思いますが、もっと根本的に考え直さなければなりません。

医療は患者さんの方向を向いていなければなりません。

ホスピタリティを作っていく中で患者さんのみを考えていけばいいのか?

僕はまず自分たち自身から変わっていく努力をしなければいけないと思います。

まずトップ自身の信念、信条。

その後にスタッフ全員にそれを伝え、説明し、納得して、全体がバランスよく動けるようになって初めて患者さんに向けることができるホスピタリティが始まると思います。

医療機関の雰囲気が悪く、働き甲斐がなく、不平不満が多い状態でホスピタリティを持つことはできません。

「サービスを超えたサービス」

まずトップが腹をくくり、自らリーダーシップを発揮し、信念を決める。

現実とのギャップはありますが、まずギャップを考えず、あらゆる制限をなくして理想を描いてみる。

その信念と理想をもとにスタッフと話し合い、ギャップを埋めていく。

ホスピタリティの話を聞いて思ったことは、個人が個人なり解釈で優しさをもっているだけでは組織としては不十分な可能性があるということです。

ホスピタリティというのは勝手にどこからか飛んできて習得できることはありません。

トップ自らが「この病院、クリニックをよくしよう」と決意すれば、自らの言葉で語りかけ、その必要性をスタッフに伝えてなければならない。

今回の講義は新たな発見になったいい講義を聴かせて頂きました。