近々、透析患者さん用にピートルという鉄剤含有のリン吸着剤が発売されます。
ピートルはリオナと同様鉄を用いて、リンを吸着させますが、構造が違うようです。
鉄、スクロース、でんぷんから化学合成されており、胃の中ででんぷんとスクロースが溶け、表出された水酸化鉄とリンが吸着するようです。
そのため、鉄の遊離が少なく、鉄吸収が少ないようです。
リオナは1500㎎から開始しますが、ピートルは750㎎から開始します。
ピートルの効果はどうなのか?
治験では下記の結果で最小用量で-1.84とかなり低下していました。
少ない用量でリン低下作用も強いようです。
リオナは1錠あたり鉄40㎎内服、リオナ1500㎎6錠だと、鉄240㎎に相当します。
一方のピートルは鉄がそのまま750㎎ということなので、ピートルの方が錠剤の中の鉄が多いということになります。
それでは鉄が吸収しすぎて、フェリチンが上昇しないかということになります。
上の図はリオナの治験のデータ。
やはりリオナが増加すれば増加するほどフェリチンが増加します。
結構増加率が高いといえます。
下図は、ピートルの治験のデータ。
同じ患者さんではないので、明確な答えはできませんが、上の図と比べると、用量依存的にフェリチンは増加しますが、増加傾向は少ない印象を受けます。
チュアブル錠ということで咬みにくいのでは?という懸念もありましたが、非常に砕けやすく、飲み方も安心です。
また味も甘くなっていますね。
ピートルは鉄低下作用が強くて、内服数が少ないリン吸着剤になりそうですね。