ABC検診が始まり、ピロリ菌チェックをする方が増えています。
ピロリ菌は胃がんの原因とされていますので、陽性の方は除菌すべきですね。
では、ピロリ菌陽性と判定されて、当院では除菌成功の有無をどう判断するのか?
当院では血液検査を行っています。
簡便ですし、設備としても血液検査での確認が妥当と思います。
しかし血液検査で用いている抗体はIgG抗体なので、除菌をしてもすぐには低下しません。
除菌後も抗体はすぐに消失せず偽陽性(本当は消えているのに、陽性反応を示してしまう)を示すことがあり、陰性化するには1年以上かかる場合があります。
除菌が失敗した場合は抗体価の明らかな減少はみられませんが、成功例では除菌療法終了後抗体価は徐々に低下し、半年後には前値と比較して50%低下すると報告されています。
抗体検査による除菌の判定は、6ヵ月以降に行い、変動率50%の低下が1つの指標とされています。
透析患者さんはピロリ抗体陽性率が低いとされているので、ピロリ菌が存在するかどうかの判断には血液検査は有効とは言えないと思いますので、内視鏡検査での確認の方が望ましいと思われます。
ただ、透析患者さんも血液検査陽性の場合は、ピロリ菌がいるということなので除菌はしたほうがいいです。