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院長の臨床メモcolumn

2014.10.03

ビタミンE固定型PS膜

透析患者さんはダイアライザーという透析膜を通して、水分や尿毒素などを除去していきます

透析膜といってもいろんなものがあります。

最もよく使用されている膜はPS膜というポリスルフォンタイプ。

当院でもよく使用されています。

これは通常の透析だけではなく、オンラインHDFでも使用されております。

このPS膜の中でビタミンEがコーティングされた透析膜が旭化成から発売されております。

ビタミンEをコーティングすることで患者さんの血液との相性がよくなりますので、血液が固まりにくくなりますし、酸化ストレスも減少するといわれています。

その他にもビタミンEの循環改善作用により透析中の血圧が保たれやすくなるとも言われています。

私の中では血液がサラサラになりやすいという点と、ビタミンEの抗酸化作用を期待しています。

下肢閉塞性動脈硬化症など動脈硬化が強い方に対しても進展抑制の一助となり得るのではないかと思われます。

透析は透析前で除去される分、膜との相性(生体適合性)は重要視されます。

貧血も改善することもあると思います。

ビタミンE固定型PS膜は理屈上でいいとはされていますが、全国の使用経験上、他の透析膜よりいいというデータ結果は出ていません。

ただ、使って悪い膜では絶対ないと思います。

いつかオンラインHDFでもビタミンE固定型PS膜が出てくるかもしれませんね。