透析膜と貧血…??
血液と透析膜が接するときに酸化ストレスが産生されるというお話をしました。
酸化ストレスが発生すると赤血球はどうなるか?
赤血球の膜がもろくなり、かたりも悪く、壊れやすくなります。
つまり、寿命が短くなるんですよね。
そうなると貧血になります。
透析患者さんの貧血の原因の一つにはこのような酸化ストレスが関係しているといわれています。
それではビタミンEを使用した透析膜を使うとどうなるか??
まだまだデータ不足ですがVitamembrane研究会では貧血が回復(造血剤であるエリスロポエチン製剤の使う量が減量できた)という報告があります。
全ての患者さんで貧血が改善し、造血剤の使用量が減量したというわけではありません。
ある程度貧血の数値がいい方ほどビタミンEコーティング透析膜の効果はあるようです。
当院ではまだ一人の方しか使っていません。貧血に関しては特に変化を認めませんでしたが、透析回路の残血が目立っていたのがほとんどなくなりました。
これは患者さんの血液とこの透析膜があっている証拠です。
まだまだこの透析膜は一般的ではありません。高価でもあります。
どのような患者さんにビタミンE透析膜を使うのか検討していきたいと思います。