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院長の臨床メモcolumn

2024.07.27

ビタミンDによる脱水症

ビタミンD製剤をたくさん飲んでいる人がいます。

ビタミンDは骨の形成には欠かせないビタミンです。

骨粗鬆症や透析の骨異常に対して処方することは多くあります。

そのなかで注意点があります。

高Ca血症になってしまうことです。

高Ca血症になってしまうと腎臓での尿濃縮力障害が出現し、多尿となり脱水症になります。

腎動脈攣縮を生じるために腎臓にいく血流が低下するので腎機能障害となります。

脱水症⁺血管攣縮が重なるとさらに急性腎障害が悪化します。

ビタミンDによる急性腎障害に関しての報告があります。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36373327/

ビタミンDによる高Ca血症になりやすい方としては、高齢者、低身長、低体重の方が多いとされています。

腎機能障害がある状態だとさらに腎障害が出現しやすいと報告されています。

また、夏季に起こしやすいという結果でした。

利尿剤を飲んでいる方に関してはなおさら急性腎障害が起こりえるというのは言うまでもありません。

ですので、この猛暑の中脱水症になっているにもかかわらず、薬はきちんと飲んでいる方の中には落とし穴が潜んでいることもあります。

脱水に注意しつつ、猛暑で食欲は出づらいですが、しっかりと食事をとっていきましょう。

医療者側は高Ca血症が発症していないかを留意する必要があると思われます。