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院長の臨床メモcolumn

2011.08.05

ハンプ(hANP)について

今日はドライウェイトのお話です。

ドライウェイトを決定するには透析中の患者さんの訴え、血圧、胸部エックス線、血液検査、エコー検査、インボディ検査などがあります。

このなかで比較的すぐにできるのが血液検査です。

今回は血液検査のハンプのお話です。

ハンプはドライウェイトの指標となる重要な血液検査です。
透析後に採血しますが、おおよそ26-60pg/mlくらいが適正な値とされています。

当院でも透析中の血圧などの変動が強い方にはハンプ採血を行っており、できるだけ適正な値になるよう努めております。

高いほど体内に水分がたまっているという検査です。

まず100pg/ml以上ある方は体の中に水分が余分にたまっているサインとなりドライウェイトを減量していきます。もちろん患者さんの血圧の状態や心臓の状態を把握しながら行います。

100pg/ml以上あるからといって必ずドライウェイトを下げるわけではありません。心臓が悪い方はハンプは高めですし、血圧が下がりやすい方はドライウェイトを下げても血圧が下がる一方ですからね。

次にハンプが適正範囲を下回った場合にどうするかですね。
適正範囲以下は”引きすぎ”の可能性があると言われています。
つまりドライウェイトを上げた方がいいでしょうということになります。

しかし体重を上げると血圧も上がるからもいらっしゃいますので、これまた基準値以下であるからドライウェイトを上げましょうという話にもなりません。

基準値以下でさらに血圧低下や立ちくらみがあるようであればドライウェイトを上げた方がいいということになります。

前にも申し上げましたがドライウェイトは一つの検査では決定できません。

また同じ検査でも患者さん個々に判断していくので一概には行きません。

ただ、透析に携わっている以上患者さんにあったドライウェイトを設定する努力は続けていきたいと考えています。