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院長の臨床メモcolumn

2023.07.03

ゾコーバ®コロナウイルスの抗生剤

ゾコーバは新型コロナウイスる感染症に対する特例承認された抗生剤である。

ゾコーバは塩野義製薬が開発した抗生剤で軽症の感染症に対して使用される。

症状回復はプラセボと比較し1日間早く回復されると考える。

1日だけ?という考えもあり、抗インフルエンザ薬のタミフルではプラセボと比べると約1.5日間早く症状が回復するという点で切れ味はやや落ちる印象もある。

ただ、ウイルス消失時間は4日目で有意に減少し、50時間早くウイルス量が減少する。

特例承認であり、臨床症状は1日だけ早く治るという薬剤ではあるが、ウイルス量の早期減少効果を期待し、一日も早く回復したいという希望があり、症状の強い患者さんに投与している。

他に後遺症の発症予防にも期待して処方している。

塩野義製薬によると、服用してから6か月後までの後遺症の有無を尋ね、延べ約600人を分析した結果、

せきや倦怠感、味覚・嗅覚異常などの14症状のうち、いずれかの症状があると答えたのは、偽薬を投与した患者グループが26・3%だったのに対し、発症後5日以内にゾコーバを飲んだグループは14・5%だった。

集中力や思考力の低下、物忘れ、不眠といった神経系の症状では、偽薬の場合は44・0%が症状があると回答したが、ゾコーバは29・4%にとどまった。

現在流行している株ではなく、臨床試験の時点の話ではあるが、後遺症の予防という点からも投与を考慮してもよいかと思われる。