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院長の臨床メモcolumn

2021.07.21

コロナ罹患者に対するワクチン接種

新型コロナウイルスに罹患したことがある方に対しても基本的にはワクチン接種が推奨されています。

コロナウイルスに罹患した方も抗体は上昇しますが、一部、抗体値が低下するという報告もあります。

一つの疑問は、罹患者にワクチンを打った時の反応はどうなるか?

もう一つの疑問は、コロナウイルス罹患者にワクチンを打ったら副作用が悪化するのではないか?

コロナワクチン(mRNA)の1回投与後の抗体反応と副反応経過

引用:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8008743/

〇上図

既感染者でも5-8目日後に著明に抗体値が上昇した。

非感染者では抗体陽性化が緩徐で9日目以降に抗体値が上昇した。

約1か月後の抗体値を比べると、既感染者は非感染者の約15倍高値であった。

2回目のワクチンでは、既感染者では1回目終了とほぼ変わりなかったが、非感染者では2回目終了で約2.5倍上昇していた。ただ、抗体値では既感染者のほうが約6倍高値であった

〇下図

副作用に関しては、既感染者と非感染者の間で、局所反応の差は少なかったが、発熱、倦怠感、頭痛、関節痛などの全身症状は、既感染者のほうが明らかに多かった。

しかし、入院となる事例はなかった。


上記の報告を見ると、既感染者では、2回目の抗体値に著変がなく、副反応が多いことから、ワクチンは1回だけでいいのでは?と思ってしまうが、結論は出ていない。

全身症状の副反応は1回目からすでに高いことから、2回目となるとさらに高率に発熱などの全身症状が出現する可能性がある。