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院長の臨床メモcolumn

2012.08.21

カプサイシンは誤嚥性肺炎を繰り返している透析患者さんに効果があるか?

誤嚥性肺炎を繰り返している男性患者さんがいます。

2回目の入院後、病棟ナースがカプサイシンのサプリメントを持ってきて、誤嚥予防に投与していいですか?という申し出がありました。

誤嚥予防にカプサイシン?と思い調べてみました。

カプサイシンは脂肪燃焼、血行促進、動脈硬化予防、交感神経活発化、鎮痛効果、胃腸運動亢進などが効果としてあるようです。

気になるのが交感神経の活発化。

アドレナリンが出て、血圧や脈拍を上げてしまわないか?

しかし薬剤でもなく、交感神経への作用も強くないと判断するとともに、肺炎の繰り返しは体力低下を引き起こし、生活動作度の低下が強く危惧されたためカプサイシンを投与してみようということになりました。

結果的にはまだよくわかりません。

再発が起こらなければ効果があると言えるのでしょうね。

ただ、心配された血圧や脈拍の変化はありませんでした。

どうも、このカプサイシンは加齢や脳血管障害によりサブスタンスPという物質が低下し誤嚥しやすくなるのを抑えてくれるようです。

カプサイシンは喉の嚥下に重要な領域の反射を強めてくれるようです。

とある老人福祉施設の臨床試験でも嚥下時間が短縮し、かなりいい結果を残したようです。

何とか、繰り返さないようにしてほしいです。