今年の診療報酬改定でオンラインHDFに対して何らかの診療報酬がつくようです。
まだ確定はしていないようですが、そういう話があります。
しかしあくまで何らかの加算がつくだけで、オンラインHDFを全ての患者さんにできるのではないと思っています。
さらに以前の述べたように透析液+置換液量を1分間に500mlを超える分は保険上で査定され、減点されます。
いままで自院でオンラインHDFに対する信念を継続するための投資という面では加算がついたことで幾分か軽減されると思います。
しかしオンラインHDFに加算がついたとしても結局はローカルルールかもしれませんが、施設当たり約10%のベッド数しかオンラインHDFが保険上適応されないでしょうね。
そうすると結局、加算がついても透析液量+置換液量の使用量が500ml超であれば保険の査定を受けることは変わりがないような気がしてなりません。
ですから病院の方針もありますので使用量を減量せざると得ません。
それでは透析液量と置換液量をどういう割合にすればいいのか?
補液量を1分間当たり①250ml、②300ml、③375ml、④400mlとし、
透析液量はこの報告の場合600ml使用しているので、
それぞれ①350ml、②300ml、③225ml、④200mlとなります。
6例と少数の報告ですが、この①-④で物質の除去はどう違うのかを見ているものがありました。
すべて4時間透析の方ですが、
尿素窒素、クレアチニン、尿酸、リンの小分子物質では透析前後の除去率は①-④全てで有意差はありませんでした。(統制中採血はなし)
なんとβ2ミクログロブリンも差はありませんでした。
α1ミクログロブリン(分子量約3万)までなると置換液量が多いほどよく除去されていました。
この論文では透析液量を200ml/分まで落としても小分子物質~β2ミクログロブリンまでは通常透析と遜色ないであろうという結果でした。
オンラインHDFはHDの条件設定に加えて、置換液量をどの程度設定するかで物質除去特性が変わってきます。
個々に応じた設定を心掛けていきます。