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院長の臨床メモcolumn

2022.03.04

オミクロン株感染の臨床学的特徴

国立国際医療研究センター国際感染症センターがまとめたオミクロン株の疫学調査(第5報)

オミクロンの積極的疫学調査

122例の日本国内のオミクロン感染の発症から退院までの疫学や臨床的特徴をまとめたものである。

オミクロン発生当初の昨年11月29日から1月12日までの入院患者。

ワクチン接種については、2回接種が約62%、3回目接種が2.2%であった。

また、コロナ既感染は3.6%であった。

臨床的には当初、若年層が多かったせいか、血液検査でも炎症反応が高いわけでもない。

主な症状は発熱、咳、咽頭痛、鼻水である。

味覚障害は少ない。

肺炎は5.6%とこれまでの変異株よりもかなり少ない。

この検討ではワクチン未接種の80歳男性1例のみが酸素投与となった。

重症例や死亡例はなかった。


当初と現在では状況は異なるが、当初よりやはり軽症が多かったことがわかる。

ただ、ワクチン接種していない方は状態は悪化する可能性はある。

治療に関してはロナプリーブの有効性は乏しく、ソトロマビブが投与から一番使用されていた。

軽症が多い中で、高齢者を含め基礎疾患がある方は注意が必要。

この報告では、60歳以上はすべて自覚症状があった。

絶対的なものではないが、重要な情報である。

特にワクチン未接種者はその中でも悪化する可能性があるうえで、コロナ診療もハイリスク+ワクチン未接種者には注意を払わなければならない。