透析患者さんは透析導入後1年くらい過ぎるとカルニチンという物質が減ってきてこむら返りやカルニチン減少による貧血などになる可能性があるといわれています。
数年前からそのLカルニチンが薬品となり、患者さんにも投与できることになっています。
投与は内服薬のみでしたが、今では注射薬も発売されています。
当院でもカルニチン欠乏によるこむら返りや貧血や心不全の方に使用しています。
最近、海外の論文で経口カルニチン製剤900㎎で透析での低血圧が低下したという報告がありました。
透析低血圧というのは透析中に血圧が低下してしまうことです。
この血圧低下は結構しんどく、つらいものです。
われわれはこの血圧低下を何とか防ぎたいと努力しています。
もともと月4回あった患者さんですが、投与1か月後から徐々に血圧低下頻度が減少し、3か月後には月に平均1.4回になったというのです。
これは明らかに血圧が低下する頻度が減っています。
まだ信用できるほどの証拠はないですが、興味深く、参考になる論文でした。