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院長の臨床メモcolumn

2011.11.19

インフルエンザシーズンを控えて

通常、12月に入ると徐々にインフルエンザの患者さんが増えてきます。

特に1月に入ると急速に流行し、2月まで、長引く場合は3月まで流行期が続きます。

今年は一昨年の新型インフルエンザのように9月から流行している様子はないので通年通り12月中旬くらいから特に注意していく必要があります。

今年も新型と香港型を中心としたA型の流行が予想されています。

B型は???

B型って不思議なんですけど、流行が隔年なんですよね。

あと、A型の流行が終わってからもじわじわとB型が残っている印象があります。

B型ってA型と違って高熱が出ない時もありますし、わかりづらいときもあります。

特に65歳以上の方は38度以上の高熱がでにくい。

今年はB型はどうなんだろう?

昨年は20%強がB型だったから今年は少ないのかあという統計上の予想を勝手にしています。

インフルエンザの診断は迅速キットがあるからほんとに助かります。

A型にしろB型にしろ診断率は90%以上と非常に高い陽性率を持っています。

ただ、発症早期には検出するだけのウイルス量が少ないので半日から1日後に陽性となることがあるので注意が必要ですね。

治療薬は現在4種類。

タミフル、リレンザ、ラピアクタ、イナビル。

内服薬はタミフル。

吸入薬はリレンザとイナビル。

点滴はラピアクタ。

一長一短がありますが注意はタミフルですかね。

15歳未満を中心として薬剤感受性が低下してきていますので成人にも耐性が出てくる可能性が高いと思われます。

しかしこのタミフルも新型には効力を発揮するのでまだまだ使用できると思います。

外来ではタミフル、リレンザ、イナビルが中心となり、高齢者を中心とした入院患者さんなどはラピアクタを使用すると思われます。

あとはインフルエンザが落ち着いても咳、痰、鼻水が残っている場合にはクラリスの抗生剤がよく効くとされています。

またインフルエンザ合併症肺炎には肺炎球菌やブドウ球菌が潜んでいるのでジェニナックなどの抗菌剤が有効といわれています。

まずは今からでも間にあうインフルエンザワクチンが重要ですね。