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院長の臨床メモcolumn

2012.09.01

やはりロキソニンなどのNSAIDsは要注意!!

先日、吐血したということで救急搬送された患者さんがいらっしゃいます。

以前にも潰瘍をしたことがある方ですが、現在はどこにも通院されていない患者さんです。

大量の吐血であり、しんどそうで、血圧も下がっていました。

血液検査でヘモグロビンもかなり低下し重度の貧血を認めました。

緊急胃カメラを行い、「出血性胃潰瘍」を発見しました。

それ以外に以前のものであろう胃と十二指腸潰瘍の瘢痕を認めました。

胃潰瘍の部分に露出している血管があったので内視鏡的にクリッピング術を行いました。

(写真に関しては生々しいので掲載はしませんでした)

幸い現在も再出血はしていません。

患者さんに聞いてみると歯が痛くてロキソニンを内服されていたようです。

胃潰瘍の原因となる重要な原因物質としてロキソニンやボルタレンなどのNSAIDsという痛み止めがあります。

これを長期に内服していると約20%に胃潰瘍、50%に何らかの胃の粘膜病変があるといわれています。

やむを得ず内服している方は多いと思いますが、予防薬を内服すべきだと思います。

予防薬の一番手としてはプロトンポンプ阻害薬(PPI)になります。

その他プロスタグランディン製剤やH2拮抗薬もありますが、PPIに比べるとエビデンスレベルは低いです。

特にH2拮抗薬は通常量では予防効果は低いと報告されています。

あとはピロリ菌予防も重要です。

患者さんが気をつけることは胃の痛み、膨満感、便のチェック(黒くないか?出血していないか?)。

そのような所見があれば早めに受診して下さいね。