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院長の臨床メモcolumn

2012.03.28

どうにかできませんか?~シャントPTAの診療報酬改定

シャントPTAが必要な患者さんがいます。

超緊急ではありませんが、今週末か来週頭くらいには必要です。

来週から4月。

診療報酬が変更します。

4月からシャントPTAの診療報酬は大幅にアップします。

当然、シャントを治療する医者は「4月に入ってからしてくれ。」といいます。

同じ治療をするのだからその方が報酬は上がりますから当然です。

しかし、僕たち透析側からするとこの患者さんは2-3カ月ごとにシャント狭窄を繰り返していて、シャントPTAが必要な方です。

もし、4月2日にシャントPTAをしてしまったら、次は7月3日まで原則的にできません。

それまで詰まってしまったら全てシャント治療側の病院が無料で治療をしなければなりません。

無料(手術料を取れない)だけではなく、材料費もとれないので赤字になるわけです。

というわけで今回は2-3ヶ月後の再PTAの可能性のことを考え、3月末にして頂くことになりました。

私が言いたいのはここからです。

シャントPTAを3か月以内に繰り返し行っている方は確かに少ないです。

しかし繰り返している方は実際いるわけでほんの一握りというわけでもありません。

各施設で2-3名はいらっしゃいませんか?

そのような方は今後どうなるのでしょうか?

赤字覚悟でシャントPTAをやってくれる病院はあるのでしょうか?

赤字覚悟で紹介元のクリニックは頼めるのでしょうか?

シャントPTAがだめならシャント手術を繰り返し行っていけばいいのでしょうか?

このようなシャントPTAができない状況を作るのはおかしいと思います。。

シャントは血液透析患者さんの命綱です。

我々はいくら透析のことを考えても、シャントがなくては何も始まりませんし、何もできません。

透析クリニックにおいてかなり大きな問題です。

シャントPTAの診療報酬は元々手技の割には安く、アップするのは当然ですが、何か忘れていませんか?

診療報酬を上げる代わりに回数を減らさないと、医療費増大はさらに増えるのもわかります。

不正までとは言いませんが、本来の適応を拡大して行う施設も出てくるかもしれません。

しかし、命綱であるシャントを守ることは一番重要なのです。

繰り返しできないのであれば、せめて材料費はとれるように働きかけてほしいと思います。

困るのは患者さんだけではなく、現場にいる透析医師なのです。

スタッフも困ります。

繰り返しますが、シャントなしでは我々は無力なのです。

この状況を打開するよう透析医会でも考えて頂きたいと強く思います。

もしシャントPTAを繰り返している患者さんが目の前にいたらどうしますか?