はじめての方も
お気軽にご相談ください

院長の臨床メモcolumn

2012.09.18

さらに糖尿病の方に是非とも覚えて頂きたいこと~造影剤その2

糖尿病の薬にビグアナイド系糖尿病薬というものがあります。

商品名でいうとメルビンやメトグルコなどです。

この薬はもともと腎臓が悪い方は要注意な薬です。

特に推定GFR30未満(ステージ4以上)の方は禁忌です。

乳酸アシドーシスという怖い病気(副作用)になり、命を落とすことがあるからです。

今回、覚えておいて頂きたいことは。

そのビグアナイド系糖尿病を内服している方が造影剤を使った場合の話です。

内服している方がもし造影剤で腎臓が悪くなったとしたら。。

体内でビグアナイド系糖尿病薬の濃度が高くなり、乳酸が上昇して、乳酸アシドーシスになる可能性があるということです。

ですので、腎臓が悪い患者さん(特にCKDステージ3b以上)の方は造影剤を使用しなければならない時は造影剤使用前後2日間はビグアナイド系糖尿病薬を中止する必要があります。

内科の医師では常識ですので心配ありません。

しかし医師が全ての薬を把握していない時もあります。

普段はかかりつけ医で、検査のみ大病院で受ける場合はビグアナイド系糖尿病薬を飲んでいるかどうか知らない場合もあります。

あるいは忙しいなどの理由で気がつかないこともあります。

それは医療側の問題もありますが、命を守るために患者さんも知っておいた方がいいことは多々あります。

ビグアナイド系糖尿病薬と造影剤使用に関しては是非とも覚えておいて頂いたいと思います。