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院長の臨床メモcolumn

2011.08.13

こむら返りに対する薬・・・エルカルチンの登場

透析患者さんのつらい症状の一つに足のこむら返りがあります。

透析中に血圧が下がりやすい方や透析での除水量が多い方は特になりやすい傾向があります。
どうしても血圧が下がると内臓に血液が取られて、足の血液量が減ってしまうんですよね。その結果、こむら返りが発生しやすくなってしまいます。

よくつかわれるのがツムラ芍薬甘草湯(68)です。
漢方は飲みにくいとされていますが、これに関しては効果が高く、さらに速効性があるということで好んで患者さんも飲まれます。

透析患者さんがつりやすい原因には”カルニチン”が不足しているといわれています。

カルニチン不足は貧血になったり、足がつりやすくなったりします。

透析患者さんはこのカルニチンが透析で除去されたり、腎臓でつくられなかったりすることで不足してしまいます。

今回、このカルニチン製剤が発売されました。

商品名は”エルカルニチン”です。

調査の結果を見てみると1カ月以内に有意なこむら返りの改善を認めています。

貧血にも、こむら返りにもいいですし、心臓の機能も上昇も期待できるかもしれません。

基本的にはこのエルカルニチン300mgを1日6-12錠内服するようです。

薬の量は増えてしまいますが、家でもこむら返りで困っている患者さんには朗報と思われます。