イライラするほどのかゆみ。
なかなか眠れなるほどのかゆみ。
このような頑固なかゆみほど薬ではなかなか効かないことが多いです。
透析によるかゆみの原因としては…
①かゆみ物質の蓄積
②カルシウムやリンの上昇
③副甲状腺ホルモン(PTH)の上昇
④皮膚乾燥
⑤オピオイドのバランスの崩れ
②と③は数値に出ますから、気をつけながら見ていく必要があります。
④は基本的にスキンケアと軟膏などの概要でいいと思います。
⑤に関しては透析患者さん特有の病態ですが、鳥居薬品からレミッチという薬が出たのでかゆみの有効なくすりとして候補にあがります。
一番、ピンとこないのは①なんです。
確かに蓄積していると思いますが、リンの用に数値化されているわけではなく、どれくらい蓄積されているかもわからないからです。
しかし、腎臓が悪いから蓄積されているということは間違いないです。
海外の夜間長時間(8時間)週6-7回透析を行った文献を読むとかゆみの症状はなくなったようです。
毎日、長時間透析をするとその分蓄積していた物質も除去されてかゆみもなくなったのでしょう。
まあ、なかなか現実的にはなかなかできない透析方法ですけどね。
ただ、これを読んで思いましたが、軟膏や内服薬が効かず、かゆみがつらくて生活に支障をきたしている患者さんに対しては透析そのもので治してあげる必要があるのではないかと思います。
①透析膜の変更
よく使用されるPES膜、PS膜だけではなくて、EVALやPMMAを使っていくのも一手です。
②オンラインHDF
特に前希釈が有効です。
③透析時間を延ばす
④短期間だけ連日透析を行う。
かゆみは月単位できていかなければなりません。
その間、あれこれ変えると何が効いたかわからなくなります。
効果を急いでしまうこともあります。
患者さんも医療従事者も最低2週間は我慢する時間も必要です。
透析従事者である以上、透析で治すことを念頭に置きながら治療にあたりたいと思います。