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院長の臨床メモcolumn

2018.12.01

「オリンパス内視鏡で192件の耐性菌感染」の記事を読んで

海外で報告された内視鏡による薬剤耐性菌感染による事故報告です。

薬剤耐性(AMR )は遺伝子の変異による抗生剤が効かないあるいは、効果が減弱する問題で、有名なものにはMRSAがあります。

現在、抗生剤の安易な使用により、薬剤耐性菌の出現と拡大が懸念されています。

今後、放っておくと2050年には、世界で年間約1000万人が死亡するおそれがあると言われています。

日本でも以前から適正な抗生剤の適正な使用を心掛けるよう注意喚起をされており、特にフルオロキノロン、マクロライド、セフェム系の使用は控えるようにと言われています。

医療機関に来られる感染症では、ウィルス性と細菌性と比べると、圧倒的にウィルス性が多いと言う事は分かっており、安易な抗生剤の使用を控えるべきだと言う事は分かっています。

臨床の感、医師の技量と言えばそれまでかもしれません。

しかし、中には抗生剤が必要であり、抗生剤の投与が遅れた、結果症状が進行してしまったという例もあります。

臨床していると、ウィルス性と細菌性の診断が決して簡単ではないケースがあります。

耐性菌の問題があり、本来不要であるウィルス感染への抗生剤の不使用を念頭に入れながら診療をしていますが、以前から述べているように、簡単かつ安価で、保険でも使用できる両者を鑑別できるようなキットが欲しいと思っています。

現状でもPCT検査がありますが、汎用性に乏しく、簡便に使用しづらいように思えます。

医療もIT化すればこれらの鑑別診断が容易にできる日も来るとは思いますが… 内科診断学も変わってしまうのではないでしょうか…