日本の平均透析時間は約4時間です。
4時間透析が一般的です。
最近は長時間透析を行われてきており、6時間透析や8時間透析やオーバーナイト透析などもされている施設もあります。
ただ、4時間透析を基準としている透析施設が大多数なのが現状です。
しかし、透析を開始して、3時間透析を継続されている方もいらっしゃいます。
何故なんだろう?という疑問があります。
まだ残腎機能といって、ご自身の腎臓の機能が残っている方は3時間透析を行うことがあります。
長時間ベッドの横になれない高齢者の方も仕方がないときがあります。
入院の方で状態が悪く透析が困難な時は3時間で終了することもあります。
しかし、ご自身で通院できていて体力の比較的ある方に3時間透析を行っているということもあります。
本当にいいのかなあと思います。
「日本透析学会」の報告では、4時間透析をしている方と3時間透析をしている方の生命予後は4時間透析のほうが明らかに優れています。
生命予後は命の長さを意味しますが、その中には体力が下がってくる、筋力が下がってくるなど生活にも支障が出てくるということも含まれます。
以前、ある患者さんは「3時間透析のほうが早く終わって、勝った気がする」というようなことを言われていた方がいらっしゃいました。
その患者さんは生命予後のことは知らず「早く終われるのなら早く終わったほうがいい」と思ったようです。
医療従事者もきちんと説明をしなければいけません。
説明をするとその患者さんも透析時間を延長しました。
3時間透析は「楽」なようで、1年単位で見ると決して楽な方法とは言えないと思います。
衰えは早くなっていくと思います。
たとえ、オンラインHDFを行っても、HDFは魔法の透析方法ではありません。
「3時間透析」、「3時間オンラインHDF」から脱却すべきだと思います。