透析患者さんの乳がん術後は合併症が多く発生しやすいのかという報告です。
透析患者さんは合併症が多く、手術の合併症や再入院が多くなる可能性があります。
しかし、下記の論文では、
RRT(腎代替療法)あり群(RRT群、n=1547)とRRTなし群(対照群、n=364,047)に分けた。
入院時の年齢、施設、年度をマッチさせた報告。
術後合併症、30日再入院、麻酔時間を両群間で比較した。
結果
RRT群は対照群に比べ、合併症を有する割合が高く(95.0% vs 24.1%)、乳房全摘術を受ける割合が高かった(64.2% vs 47.0%)。
RRT群は対照群と比較して、合併症(および30日再入院(オッズ比0.88;95%CI0.65-1.18)とは有意な関連はなかった。
まとめとしても、RRT患者における乳癌手術は、慢性腎不全以外の併存疾患に適切に対処すれば、RRTを行わない患者と同様に安全である可能性があるとされていました。
色んな報告はあると思いますが、決して透析患者さんの方が結果が悪いとは言えないようです。