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院長の臨床メモcolumn

2012.07.07

透析後半のシャント肢の肩の痛みに対して

透析後半にシャント側の肩の痛みで悩んでいる患者さんがいます。

痛みというのは泣きそうなくらいつらい痛みで透析続行不可能になるくらいの痛みです。

肩はパンパンに硬くなり腫れている印象がありました。

湿布、ホットパックを行いましたが効果は限定的でした。

リリカ+ノイロトロピンで幾分か効いていましたが最近効果は激減。

訪問リハビリテーションと協力してマッサージを行っていますが、透析中の痛みをなくさせるところまではいきませんでした。

お得意の漢方薬も考えましたが、粉薬は一切のめない方なので全く役に立たず。

どうしようと考え、トリガーポイントブロックを勧めたところ、患者さんもやる気になり、透析前にやってみました。

左肩はパンパンに腫れていて、とても硬く筋硬結ができていました。

触診上、僧帽筋・棘下筋に圧痛を認めました。

透析中に痛くなるので、安静時でも起こる虚血やスパズムにより発生した筋痛症と考えました。

僧帽筋の筋硬結の周囲にネオビタカイン1mlずつ施注し、僧帽筋と頭板状筋の隙間、僧帽筋と肩甲挙筋の隙間に1mlずつ施注しました。

最後に筋硬結の強い部位の縁に生食5mlをトリガーポイント注射を行いました。

結果は…

透析中の痛みはほぼありませんでした。

かなり効きました。

患者さんも喜んでくれました。

ただ筋硬結がかなり強いため、また痛くなってくると思います。

週に1度のトリガーポイント注射と訪問リハビリとホットパックなどを併用して痛みを退治していこうと考えています。