これまで週2回で透析していた患者さんが、週2回では十分な除水ができず、血圧上昇や心胸比の増大があり週3回としました。
血圧上昇に対しては週2回の時から降圧剤を駆使し様々な薬を投与しましたがなかなか下がりませんでした。
週3回に変わった以降もしばらくは血圧は変わらず高値を示していました。
胸部エックス線で心拡大と胸水を認めたのでDWの減量も行いました。
そうしたところ週3回にした3ヶ月後くらいに徐々に血圧が低下してきました。
降圧剤やDW減少も血圧低下の原因とも考えられますが、透析回数を増加したことも一因だとも考えられます。
尿毒素物質(特に中分子物質や低分子蛋白)を除去することによって末梢血管抵抗が低下し、血圧が低下したとも考えられます。
他の文献では4時間で血圧が下がらなかったものが6時間透析にすると血圧が正常化したという報告もあります。
今回は週2回から週3回ということですし、降圧剤やDWも変更していますので透析回収増加→血圧低下ということにはならないですが、少なくとも頑固な血圧低下には透析時間が寄与していたと考えています。