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院長の臨床メモcolumn

2012.01.06

送迎は必要?

いまや血液透析患者さんの通院援助(送迎)は透析クリニックとしては当たり前になっています。

送迎がないと透析患者さんが来てくれないといってもいいかもしれません。

都会の駅前では利用率は低いと思いますが、郊外では7-8割が利用されているのではないでしょうか?

当院では約8割の方が利用されています。

全国平均より平均年齢が高く、勾配が強い土地だから余計利用率が高いのかもしれません。

タイトルに戻ると…

もちろん透析患者さんの送迎は必要だと思います。

有償か無償かは透析施設の判断になるでしょう?

マイクロバスを使用しているところもあれば軽自動車を使用されているところもあります。

僕の印象ではマイクロバスより乗用車を使用しているクリニックが多いと思います。

問題は透析患者さんの高齢化、特に70-80歳代の増加、長期患者さんの増加により今後要介護透析患者さんが増加してくる可能性があるということです。

透析室を車いす対応することも必要ですが、送迎車を車いす対応にするかどうか?

透析の診療報酬も下がり、送迎車の維持費や人件費も現実問題としてクリニック側にはあります。

その上に車いす対応の車を用意できるか?

以前から透析クリニックを開設し透析患者数が安定しているようなクリニックならできるでしょう。

しかしそこまで余裕がないクリニックも多いと思われます。

それでは介護保険で送迎車を出してもらえば。。。

高齢透析患者さんはすでにヘルパーさんを送迎介助に利用されており、そこにさらに送迎車の手配をすることはかなりの出費になります。

通院介助は介護保険でも利用できますが、送迎車までなると福祉有償運送を利用しなければなりません。

タクシーの半額くらいと聞いていますが週3回となるとかなりの負担です。

透析患者さんの場合で送迎に介護サービスを受けている場合、送迎がかなり足かせになってくるでしょう。

要介護透析患者さんの通院は今後大きな問題になってくるでしょう?

診療報酬が減少してくる中、福祉制度が後退してくる中、誰かが負担を負わなければなりません。

今後の透析クリニックの課題は介護の面からもまだまだ多そうです。