1999年に発売されたリン吸着剤である炭酸カルシウム。
胃の中でカルシウムイオンが遊離して、リン酸イオンと結合して吸着する。
炭酸カルシウムは消化器症状の副作用が少なく使用しやすいことと、低Ca血症の患者さんには使用することもある。
しかし、注意事項もある。
炭酸カルシウムは胃内のpHが4以下という酸性の状況で作用を発揮する。
CKDなど胃酸が少ないといわれている方やPPIなどの制酸剤を飲まれている方では効果が減弱する可能性がある。
もう一つ注意しないといけない場合がある。
pH4以上だとカルシウムの吸収が増える可能性があるということである。
炭酸カルシウムはリン低下作用にも優れ、副作用も少ない。
低Ca血症を伴う高P血症であれば使用しやすい。
しかし、正Ca血症や高目のCa血症では上昇する可能性がある。
また、炭酸カルシウムを投与してもP低下が乏しい場合は、PPIなどの制酸剤を飲んでいないかどうかの確認も必要である。
いずれにしてもCaは血管石灰化の因子であることは間違いないため、選択には適切な判断が必要となる。