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院長の臨床メモcolumn

2021.03.31

リオナ®:鉄欠乏性貧血の適応拡大

透析患者さん、慢性腎臓病患者さんは腎機能が低下し、血清リン濃度が上昇します。

リン濃度が上昇すると、血管石灰化など血管に大きなダメージが加わります。

このリンを低下させる薬剤がリオナです。

 

今回、新たに、鉄欠乏性貧血の適応を取得されました。

理由はリオナには「鉄」が入っているからです。

使用量は1回500㎎(2錠分)を1日1回。

食直後で最大1日2回まで。

高リン血症に使用する場合は1日6000㎎まで使用しますが、鉄欠乏性貧血の場合は1000㎎まで。

1000㎎となっているのは、リンが低下するからでしょう。

一般的な鉄剤は胃の調子が悪くなったりすることがありますが、リオナでは胃の調子が悪くなることは少なく、使いやすいかもしれません。

以前から透析患者さんに使用していますが、鉄欠乏性貧血を持っている透析患者さんにリオナを使用すると貧血の改善度が高い印象を持っていました。

治験では、7週間でHb+3.29上昇し、一般的な鉄剤と遜色ない結果でした。

おそらくリオナ500㎎で十分効果が得れると思います。