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院長の臨床メモcolumn

2022.02.10

ラブゲリオ®

COVID-19の治療薬としてラブゲリオ®(モルヌピラビル)がある。

開業医としては唯一の治療薬といっていい。

10名程度しか使用していないが、副作用の声も少なく、比較的使いやすいのではないかという印象。

ゼビュディなどの抗体療法と比べると重症化進展予防効果は低下するが、これだけ自宅療法者が多くなると、点滴治療は一般的ではなく、内服療法が圧倒的に処方しやすい。

しかし、処方には条件がある。

61歳以上

活動性のがん(免疫抑制又は高い死亡率を伴わないがんは除く)

慢性腎臓病

慢性閉塞性肺疾患、肥満(BMI30以上) 重篤な疾患(心不全、冠動脈疾患又は心筋症) 、糖尿病

いわゆるハイリスクの患者さんのみである。

これまで腎臓病や透析(腹膜透析)患者への使用経験もあるが用量調整は不要ということである。

MSDコネクトより

基本的に外来で経過を見ていないため、解熱効果など知らないことはまだ多い。

気になる点は、ラブゲリオ®の有益性である。

つまり、服用することによって、解熱効果がどれだけ早まるかということである。

少数での評価は難しい。

オミクロンの症状は比較的軽く、ラブゲリオ®の恩恵があるのかどうかはわかりづらい。

今は解熱が早くなるかどうかということよりも、重症化進展予防のために必要に応じて使った方がいいのかもしれない。