昨年の10月から月1回の腎性貧血の薬剤である「ミルセラ」を使用しています。
おおよそ3ヶ月たったので一度整理してみました。
エポジン3000単位を週3回投与している比較的貧血の強い方(エリスロポエチン抵抗性)に使用しました。
そのような方々にミルセラを使っても支障がないかということとミルセラを使用することにより貧血改善効果があるのかどうかを調べてみました。
3000単位以外の方にしなかった理由としては恐らくエリスロポエチン抵抗性ではない方々ではおそらくミルセラの効果が出やすいと考えたためです。
患者さんは当初20名いらっしゃいました。
Hbが11g/dl以上に上昇した方は中止とエポジンに変更しました。
3か月の間に4名の方はHb11g/dl以上となり中止しました。
3か月の間に2名の方が入院されました。
よって14名の方がミルセラを継続しております。
結果は…
投与前:Hb=10.2±0.7
1ヶ月後:Hb=9.8±0.6
2ヶ月後:Hb10.0±0.8
3ヶ月後:Hb9.9±1.1
でした。
継続している方は有意差がなくほぼ変化はありませんでした。
今回はあくまで使用経験で、研究ではなく、鉄剤を途中で投与した方もいらっしいますし、透析時間を延長した方もいらっしゃいますので他の影響される因子はあります。
印象としてはエポジンとミルセラは数値上は特に問題なく使用でき、副作用と特に問題ないと考えます。
今回、20人中4人の方が上昇しております。
その4名の方はエポジンを10月から続けていてもHbが上昇した可能性もあります。
エリスロポエチン抵抗性の方々にとってはミルセラとエポジンは効果がほぼ一緒かもしれません。
エリスロポエチン使用量を減らすことができるかという点でも期待しましたが、抵抗性のある方はミルセラに変更しても使用量は減量できないのではないかとも思えました。
今年の透析学会で多くの発表がされると思います。
今後も私としてはエリスロポエチン抵抗性貧血のミルセラの使用方法に注目していきたいと考えております。