腎臓病の中に尿蛋白がでる病気があります。
このうち、ポドサイトという場所に障害が起きて尿蛋白を発症する疾患の総称をポドサイトパチーといいます。
ポドサイトというのは糸球体上皮細胞のことで、糸球体の外側を覆っていて、足突起のような構造をしています。
突起が引っ付いているので歯車みたいに見えます。
突起と突起の間にはスリット膜があり物質をろ過するときに重要な働きをします。
ポドサイトは一度障害を受けると再生は困難とされており、ポドサイトの障害が進行すると腎機能障害も進行し回復困難となることがあります(糸球体硬化症という状態になり、ネフロン自体が廃絶します)。
ポドサイトパチーの中には微小変化型ネフローゼ、巣状分節状糸球体硬化症、膜性腎症などがあります。
また、ポドサイトの障害により糖尿病性腎症や高血圧性腎硬化症などのもともとある疾患も増悪する原因となります。
ポドサイトパチーは病理で診断する病気であり、臨床ではあくまで尿蛋白が多いのでポドサイトパチーが疑われるという表現になります。