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院長の臨床メモcolumn

2024.09.10

ビスホスホネート製剤と透析患者

透析患者さんは骨折リスクがあるといわれ、実際骨密度を計測してみるとYAM値が70%以下であり、骨粗鬆症の方が多いです。

特に女性の方(閉経後)はほぼ骨粗鬆症といっていいでしょう。

このような方には骨粗鬆症の治療薬が必要です。

一番目の治療薬として、ボナロンやボンビバなどのビスホスホネート製剤となります。

骨粗鬆症に対する効果はありますが、長年継続していると反対に、非定型大腿骨骨折を生じるリスクが増えます。

骨の吸収を抑えすぎるのもよくないということですね。

基本的には静脈製剤であれば3年以上たてば、再評価し、休薬も考慮します。

しかし、骨密度が低く、‐2.5SDのような方で特に脆弱性骨折歴がある方は10年(最高で)まで継続を投与していいともいわれています。

いずれにしても、ビスホスホネート製剤は休薬が必要です。

もし休薬できないほど骨密度が多い場合は、プラリアやイベニティなどに変更を考慮します。

ビスホスホネート製剤を投与中に、脆弱性骨折を示す、あるいはYAM値が下がる、‐2.5SD以上に進行するなどがあれば、そもそもビスホスホネート製剤の効果は乏しいかもしれません。