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院長の臨床メモcolumn

2024.08.15

ウェンケバッハ型房室ブロック

意識消失による転倒の患者さんがいました。

たまに脈拍数が30回/分で徐脈となる患者さんがいました。

徐脈になると脳への血流が低下し意識が消失することがあります。

ホルター心電図で房室ブロックを認めたため循環器内科に相談しました。

下記の心電図で、突然のQRS波が消失していました。

この心電図波形をウェンケバッハ型2度房室ブロックといいます。

2度房室ブロックには、

①ウェンケバッハ型:心電図においてPR間隔が徐々に延長した後にQRS波が欠落

②モビッツ2型:PR時間の変動なく,突如QRS波が欠落

があります。

①は心房-ヒス束間の機能的ブロックが大部分であり,ほとんどの例で迷走神経緊張などにより出現し,運動などの交感神経が興奮している状態ではで消失します。ですので、診察中とかは脈拍は大丈夫なことが多いです。

②はヒス束より下位の伝導障害が原因であり、器質的心疾患などの原因を明らかにする必要があるといわれているので精査が必要です。

いずれにしろペースメーカーの適応となりうる要注意な不整脈です。