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院長の臨床メモcolumn

2013.03.06

☆悪玉コレステロール(LDLコレステロール)はどこまで下げればいいのか?

コレステロールが高い方は結構いらっしゃいます。

脳梗塞、腎臓病、心筋梗塞などの予防のためにコレステロールは下げる必要があります。

このコレステロールというのはLDLコレステロールという「悪玉コレステロール」です。

LDLコレステロールの正常の上限は139です。

LDLコレステロールの目標値は冠動脈疾患(狭心症など)のある方は一番厳重に下げる必要があります。

目標100未満。

次に糖尿病、腎臓病、脳梗塞、足などの動脈硬化をお持ちの方は120未満が目標です。

LDLコレステロールの目標設定は非常に細かく、個々人によって目標値が異なります。

他にはHDLコレステロール、冠動脈疾患の家族歴、耐糖能異常も絡んできます。

ではどこまで下げたらいいのでしょうか?

色んな世界的な報告から動脈硬化を抑制、進展予防の点からは70未満まで低下させる必要があるといわれています。

70まで低下させるには薬物療法が主体となります。

スタチン系というLDLコレステロールを下げる有力な薬剤があります。

生活習慣病をお持ちの方でLDLコレステロールが高い方はこのスタチン系薬剤を内服し、個々人の目標値まで低下させたほうがいいと考えます。

透析患者さんでもLDLコレステロールが高い場合は下げたほうがいいでしょう。

基本的には同様にスタチン系薬剤が必要になります。

それでも下がらない場合はスタチン系薬剤であるリポバス+ゼチーアという薬剤の併用で動脈硬化性疾患の発生率が低下したという研究発表もありました。(透析患者さんを含めた慢性腎臓病の方の研究)