あくまでエポジンとミルセラの効果という点で考えると、
エポジンでは保存期から透析導入期にかけて投与してもHb10以下になることがよくありましたが、
ミルセラが登場してからHb10以下になることは少なくなり、貧血の管理がすごくしやすくなりましたね。
ミルセラは月1回投与ですが、月2回投与方法の方が効果は高い実感があります。
下記の図でもあるように、クレアチニンが上昇し、腎機能が悪くなってもHbは維持されていますよね。
さらに下の緑の棒グラフのとおり、あまりミルセラの量が増えていないことも注目されます。
貧血といえば鉄欠乏性貧血ということでフェリチン50以上にはしておこうということですが、
保存期の場合、経験的にはあまり鉄剤が必要となるケースは少ないように思えます。
生理出血のある女性は別ですが、鉄を失う状況は少なく、限りある体内の鉄分で循環しているようにも思えます。
ただ、もちろんESAを使用しだすと鉄の利用効率は上昇するので、きちんを血液検査することは必要ですね。
保存期のHbを管理することによって、その後の心血管イベントの発生も抑制するといわれています。
保存期のHb管理は透析になってからも影響してくるので、ミルセラを含め適正なコントロールが必要になってきます。