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院長の臨床メモcolumn

2015.04.22

糖尿病性腎症の勉強会とPADの研究会

昨日、DPP-4阻害薬とSGLT-2阻害薬を販売している製薬会社に依頼され、「糖尿病性腎症」の講義を行ってきました。

糖尿病の講義と糖尿病性腎症の講義は全く違います。

糖尿病は血糖を中心に講義をしますが、昨日の私は。

・尿アルブミン、尿蛋白の早期発見と早期治療

これに絞って話をしました。

糖尿病性腎症はいかに尿蛋白を抑えるかにかかってきます。

尿蛋白を制する者は糖尿病性腎症を制するといってもいいでしょう。

もちろん血圧のことも言いましたし、減塩の話もしました。

減塩をすることによって血圧はもちろん、尿蛋白も減量します。

降圧剤も聞きやすくなります。

あとは尿蛋白症例では少量の利尿剤併用も有効なことがあるとお話をしました。

そのお話の後、PAD(末梢動脈疾患)の講演を聞きに行ってきました。

演者の先生はあの有名な湘南鎌倉病院副院長、フットケア学会理事長の小林修三先生です。

透析、腎臓病によるPADでは右に出る方はいないでしょう。

かなり立派な先生です。

なにせ、理論的です。

どうしてこのような結果になるのか、どのようなプロセスでこうなるかなど理論を追求しています。

しかも単なる研究ではなく、臨床に結び付け、患者さんの足をすくうために必死にされています。

話もお上手ですし、本当に立派な先生。

はじめてお話を聞いたわけではありませんが、質疑応答でもいつも非常に理論的で、いろんな論文を即座に引用して回答されるのは本当に立派だと思います。(すごすぎる…)

昨日はどちらかというと理論的というより実践的なお話でした。

どうすればPADを見るけることができるか?

主観的にはとらえることが難しい。

まず見て、視て、看まくることからはじまり、いかに客観的検査で病状を把握することを強調していました。

ABIが比較的メジャーで簡便的ですが、透析の場合、ABIでは見落とす可能性があり、できれば造影検査をしてほしいとおっしゃっていました。

透析室のやく3分の1がPAD.

ABIでは見落としてしまう可能性がある。

先生は比較的新しい医療機器であるSPPを多く用い、早期発見と早期治療を行っています。

重症足潰瘍になる前に何とか早期介入を。

当院でもフットチェック、ABIをしていますが、次なる課題をいただいたような感じがしています。