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院長の臨床メモcolumn

2015.01.13

多発性嚢胞腎の治療薬:サムスカ

多発性嚢胞腎という遺伝性疾患があります。

これは40歳くらまで無症状のことが多いですが、徐々に高血圧、血尿、痛み、尿路感染など併発し、腎不全に進行していきます。

おおよそ、60歳くらいに透析導入となります。

透析導入患者数の約3%が多発性嚢胞腎(1位は糖尿病性腎症)です。

多発性嚢胞腎の治療は降圧剤、水分摂取、蛋白制限がありますが、有効な治療はありませんでした。

新たな治療法として「サムスカ」が発売され、注目されています。

・年齢:18-50歳

・推定GFR60以上

・両側腎容積750ml

これらを満たす方のみが使用できます。

約31000人いらっしゃる多発性嚢胞腎に対して、適応するわけではありませんが、せめて「サムスカ」のことを知ってもらいたいと思います。

この薬は非常に高価な薬剤であり、高額医療制度を用いても医療負担は大きく、断念する方もいらっしゃいました。

多発性嚢胞腎は難病指定され、この度、助成制度が使えるようになりました。

収入にもよりますが、かなり自己負担は減少したのではないでしょうか?

多発性嚢胞腎でお悩みの方は一度医療機関でご相談されたらいかがでしょうか?

ただし、サムスカは多発性嚢胞腎を治す薬ではありません。

あくまで進行(透析などへの)を抑える薬です。

有効性や副作用については後日書く予定にしています。