ドラマリールという慢性疼痛に使う内服薬があります。
非オピオイド系鎮痛剤といって、よく使用するロキソニンやボルタレンなどのNSAIDsと違って、痛みに対する第一選択薬ではありません。
しかし実際、ロキソニンなどで聞かない痛みも臨床上経験し、薬理作用の異なる薬を処方することが多くあります。
最近では、リリカという神経障害性疼痛に対する薬も宣伝されおり、よく使います。
このドラマリールは数年前、アセトアミノフェンの合剤の「トラムセット」という名前で発売になっていました。
これもいい薬なのですが、腎臓病や透析の方では禁忌でした。
トラムセット=ドラマリール+アセトアミノフェン
なのですが、このアセトアミノフェンが透析の方では禁忌ですので、同時にトラムセットが禁忌になってしまいました。
しかし、今回慢性疼痛に使えるようになった、ドラマリール単体では腎臓病や透析の方は禁忌になってはいません。
慎重投与にはなっていますが、少量から注意深く投与することによって十分効果も発揮すると思います。
下記の表はひざや腰などが悪い方にドラマリールを飲んでどれくらい痛みがましになったかという図です。
6週間後にはおおよそですが痛みは半減しています。
痛みゼロが理想ですが、毎日の痛みが半減するだけで随分と気持ちが楽になると思います。
一番の注意点は悪心、便秘、眠気ですね。
ゆっくりと25㎎から増量し、それを100-200㎎までにするのかどうかは症状の改善や副作用の出現を見てからになると思います。
痛みはつらい症状の一つです。
ドラマリール(商品名:トラマール)は痛みの治療の有効なオプションになると考えます。