透析患者さんの貧血の指標である「ヘモグロビン」は10-11が目標値となっています。
比較的若い方はもう少しあってもいいということになっています。
ではすべての透析患者さんはその通りでいいのか?
私はそうは思いません。
透析導入後で尿量が十分出ている方は該当しないと思います。
尿量が保たれいる方で、透析での除水が必要のない方は透析の前と透析の後ではほとんどヘモグロビン値は変わりません。
それに対して除水が必要な方は透析前と透析後では透析後のほうがヘモグロビン値が上昇します。
ですから透析前のヘモグロビン値は低めでいいのです。
透析後には高くなるのですから。
除水が必要のない方はそういう動きがないので目標値を高く考えたほうがいいと思います。
透析に入る前の慢性腎臓病の方のヘモグロビンの目標は10-12です。
ですから、尿量が保たれ、除水が必要のない方は透析をされていたとしても目標値は慢性腎臓病ガイドラインと同じく10-12でいいと考えています。