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院長の臨床メモcolumn

2013.03.12

☆血管カテーテル後の透析の注意点

透析患者さんで心臓や下肢動脈のカテーテル治療をした後に透析をするべきかどうかをよく聞かれます。

基本的にはカテーテル検査やカテーテル治療の後に透析をする必要はありません。

特に心臓のカテーテルを治療した方で、そのあとに透析をすると血圧が低下しやすい方がいらっしゃいました。

経験的には右冠動脈をカテーテル治療した方が同日に透析をすると血圧や脈拍が低下しやすいと思われます。

欧州も学会でも、私個人の経験でも透析患者さんはカテーテル治療後の同日に透析をする必要はないと考えます。

血圧が下がりやすい以外の危険性としては、出血しやすいこと。

カテーテル治療では腕や足からシースという管を入れます。

カテーテルで血栓を予防する薬剤を注射しますが、さらに透析でも「血のさらさら」の薬を入れるので出血しやすくなります。

特にカテーテルで使用したシースを抜いた後に血が止まらないなどのトラブルが起きやすくなります。

ですから基本的にはカテーテル後の透析は不要です。

しかし、必要な場合もあります。

カテーテル治療でたくさんの造影剤や点滴を使った場合です。

この時は状況によりますが、血液透析や持続的血液透析(ゆっくり透析)をしたほうがいいときもあります。

あと、造影剤アレルギーをお持ちの方も早めに体から除去したほうが無難だと考えます。