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院長の臨床メモcolumn

2012.07.05

急な腰痛に・・・【漢方有効例】

60歳代女性です。

畑仕事で無理をして腰を痛めました。

しかし少し痛いくらいで日常の生活にはさほど影響はありませんでした。

しかし外出して歩きすぎたせいか、腰がどんどん痛くなり、起き上がるのも痛くなりました。

打撲や転倒はなく急性腰痛症と考えました。

処方としては治打撲一方と芍薬甘草湯です。

あと骨盤の固定のために持っておられた骨盤バンドを巻いてもらいました。

場所は腰部分ではなく、骨盤の一番上からお尻の割れ目くらいまでを巻きました。

そのほうが痛めている脊柱起立筋の負担が軽くなります。

漢方薬として即効性があるのが芍薬甘草湯。

まずこれを1度に2袋内服してもらいました。

あとは両方の薬を1日3回内服してもらいました。

翌日にはたったり、座ったりするとつっぱったりする感じはありましたが随分と動けるようになりました。

2日後にはほどんど楽になったと喜んでおられました。

急性腰椎症のときはついつい湿布とロキソニンに頼りがちですが、漢方薬は急性期にも効果があります。

芍薬甘草湯を基本として他にも漢方薬では方法があります。

もし患者さんの許可があればトリガーポイント注射をすればもっと楽になったと思います。

あとはあるいてはいけないことはありませんが、この方の場合立ったり座ったりすると痛いといっておられます。

急性腰椎症=安静とついつい言ってしまいそうですが。

注意点はつらい姿勢を取らないようにして頂かなければなりません。

同じ安静にするのであれば歩いてはいけないのではなく、屈んだり伸ばしたりを繰り返すとまたぶり返すという説明が必要です。

痛みは早めにたたくべしです。