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院長の臨床メモcolumn

2012.04.19

透析患者さんの脚むずむずに対して~漢方薬でのアプローチ

脚むずむず症候群で悩んでおられる男性がいます。

このむずむずは出てくるとなかなか引っこんでくれない。

引っ込んだと思ったらまた出てきて。

その繰り返しです。

何ともいえないくらい気持ちが悪く、不快なようです。

透析患者さんのむずむずは時に経験します。

訴える方は相当ひどい症状です。

以前も同じような方がおられした。

けいれんの薬ではありますが、むずむずにも効果があるとされている○やパーキンソン病・むずむずの適応があるビシフロールを投与しましたが、眠気・ふらつき・吐気で中止しました。

その方はオンラインHDFに変更し、現在たまにしかむずむずは出てこないようです。

今回の方はどうしようかと悩みました。

透析時間が少なく、まず透析時間を伸ばして欲しいとは思っています。

しかし透析時間の延長は困難な状況。

内服薬で行こうと思いましたが、以前の経験もあり無難にいきたいところ。

ということで調べてみると、漢方薬でむずむずが軽減したという報告を発見しました。

ツムラ加味逍遥散です。

加味逍遥散とある抗うつ剤(むずむずや痛みにも効く)を併用すると随分とむずむずが軽減したようです。

さらにパーキンソン病の薬であるレボドパを併用すると消失したようです。(この方はパーキンソン病ではありません)

その方は喜んでおられたでしょうね。

その論文を見て、まず無難に加味逍遥散を開始してみました。

現在約2週間。

むずむずの頻度は半分になったようです。

これは臨床上有効と考えます。

しかしこれで満足してはいけません。

論文を同じように副作用に注意しながら抗うつ剤やけいれん剤を併用していこうと思います。

いずれにしろ保険適応の問題がありますので大きな声では言えませんけど。。。

レボドパは長期内服は副作用の面から控えたいですね。

できれば、時間延長+オンラインHDFをしたいものです。