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院長の臨床メモcolumn

2012.01.05

訪問看護と透析を考える。

介護保険審査会の書類を見ていると昨年と比較して利用者さんの介護度が上がっている気がしてまりません。

氏名やお住まいも不明で去年と同じ人と比べているのではないので何とも言えませんが、確実に介護度は増えています。

要支援1,2、要介護1から5に分けられ、要支援1が最も軽く、要介護5がもっとも介護度が高いということになります。

介護保険を受ける方々が多くなっているのは事実ですが、そのなかでも要支援の方の割合が減ってきているような気がします。

その分要介護1あるいは2の方が増えてきています。

現状の審査では要介護1は認知量あるいは病状不安定の方しか該当せず、最終的には1次審査よりも少ないとは思いますが少なくとも要介護は増えています。

この状況を見てどう考えていくかが今後の問題。

透析の場合はどうか?

送迎が当然となった時代ですが、要介護4あるいは5の患者さんの通院は基本的には困難です。

介護タクシーを駆使して送迎している、あるいは老健や長期病院に入院していることが多いでしょう。

要介護者の進行を防ぐための長時間透析、栄養摂取、運動などの予防的治療は必須です。

その役割も透析クリニックで担う責任も出てくるでしょう。

しかしこの介護保険利用者の増加は予防措置だけでは恐らく追いつかないでしょう。

ヘルパーサービスなどの介護訪問、デイサービスなどの通所介護。。

もちろんショートステイなどもあります。

それぞれの施設で皆さん試行錯誤しながら努力していらっしゃると思います。

僕の中では要介護1-3の方がどれだけ進行せずに、真の意味で介護度を下げることができるかが非常に重要になってくると考えています。

負担の問題もありますが、まだ点数を利用しきれていない方がたくさんいらっしゃいます。

透析患者さんの場合は内服薬が多かったり、疾患が多かったりすることから訪問看護の意味も大きくなってくるでしょう。

できればクリニックと訪問看護ステーションがセットになって動けるシステムが理想かなって思います。

そのうえで介護サービスとの連携を取り包括的に患者さんを把握していく。。。

在宅医療が重要視される中、透析患者さんも在宅医療にシフトしていくと思われます。

透析医療自体シフトすることはよほど腹膜透析が増加しないとならないでしょう。
(僕としては患者さんが安心して在宅腹膜透析ができるような選択ができればいいなあと思っていますが、現状の腹膜透析患者さんの延びからいってもまだまだ在宅医療としても腹膜透析の浸透は低いと思います。)

血液透析は基本的には通院になると思いますが、生活場所は家です。

透析も理解できている知った顔(看護師)が在宅でも知った顔で介護、看護すると患者さんも安心すると思います。

透析専門の訪問看護ステーションというのはよほどの大人数の透析患者さんがいらっしゃるか、テクニックを駆使しないとできないと思いますが、少なくとも訪問看護師が透析を理解し、透析の現場にも時に顔を出し、透析看護師とも連携をとるという体制が安心感を生むのではないでしょうか?きっとそれはケアマネージャーにも言えることです。