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院長の臨床メモcolumn

2011.12.08

笑いと交感神経

なんと、笑いと自律神経で調べてみると「人間科学研究」という雑誌に「自律神経系に及ぼす自発的笑いの実験的検討」という素晴らしい論文が掲載されていました。

結論から、笑いと自律神経はやはり関係があるようです。

笑いというのは・・

①まず目の前に起きているものを面白いと認識する。

②そうなると愉快な気持ちになる(情動体験)

③笑う(身体反応が出る)

①-③のそれぞれの過程で脳はどうなるか?

①「面白い」と認知する⇒視覚情報をつかさどる後頭葉が活性化

②「愉快な気持ち」⇒前頭眼窩野が活性化

③「笑う」⇒補足運動野と基底核の一部分が活性化

この”補足運動野”の活性化で「快」の感情や「笑い」の表情が出ることが報告されています。

つまり、笑うことで「脳」が活性化し、「快」の状態を作ってくれているということです。

それでは「笑い」と「自律神経」の関係は??

笑い刺激により交感神経が活性化し、心拍数が増え、皮膚温が低下していました。

この方たちが笑い刺激をしなかった場合は…交感神経は活性化しませんでした。

やはり「笑い」と「交感神経」は関係があるということがわかりました。

だた、注意点としては交感神経の反応が更新した後はリラックス神経である副交感神経の亢進がリバウンドとして表れてしまいます。

自発的な笑いは人を「快」な状態を作り、幸せにしてくれます。

さらに自律神経にも作用し、交感神経を活性化してくれます。

透析中に血圧を下げないためには・・という一つの視点から見ています。

透析中の血圧を維持するためには交感神経の活性化が必要です。

もちろん日常の生活ではリラックス神経である副交感神経も必要です。

今回、偏った視点ではありますが、透析中に何らかの工夫(刺激)を行うことによって交感神経を元気にさせ、血圧低下防止の一助にならないかなあと考えてます。

透析中に睡眠やテレビだけではなく、もっと交感神経を活性化させるためのアイディアが必要だと思います。

アイディアと環境整備が必要な話になります。

便利な世の中ですので色んなアイディアが転がっていると思います。