嘔気、食後の膨満感、食べるとすぐにおなかが張る(早期飽満感)の患者さん。
胃カメラしても胃潰瘍など明らかな異常はありませんでした。
嘔気に対してドンペリドンやモサプリドを処方しても効果はりませんでした。
機能性ディスペプシアを考え、六君子湯を考慮しましたが、漢方薬は苦手ということでした。
そういえば、機能性ディスペプシアにはアコファイドが使用できたと思いだしました。
アコファイドは胃カメラをして半年以内(たぶんですが)であれば投与で薬剤です。
この薬剤は消化管調整薬にあるような胃排出促進作用以外に、ストレスに関与する胃の症状に有効とされています。
ラットの実験では、ストレスを付加したラットに投与し、胃の排泄や食事摂取が改善したという報告があります。
驚きは、ストレスを付加していないラットには変化がなかったということです。
どうも、アコファイドは迷走神経を介して、延髄や視床下部でのストレス関連遺伝子の発現を抑えるようです。
ヒトのデータでも、この患者さんが訴える症状や症状の改善に伴うQOLを有意に改善したようです。
以前からあるお薬ではありますが、ストレス社会に多い胃の症状が緩和してくれたらありがたいですよね。