当院では毎月胸部エックス線を取っています。
胸部エックス線では心臓が大きくなっているかどうかが最大のポイントです。もちろん個人差はあります。大きくても心臓の動きがいい方もいれば、大きくなくても心臓の機能が低下している場合もあります。
要は胸部エックス線は心臓の機能を見ているのではありません。
ただ、心臓の形や胸の水のたまり方を見て「大丈夫かな?」とか「すこし、心臓が悪くなってきているかもしれない」という目安にはなります。
今回、心胸比がなかなか小さくならない患者さんがいらっしゃいました。
ドライウェイトを下げて、透析で水を引いてもなかなか心胸比は小さくなりません。
心臓エコーで見ると心臓自体の大きさは特に問題ありませんでした。
ただ、エコーで心囊水という心臓の周り(肺の中ではありません)がたまっていました。心囊水は基本的にはドライウェイトを下げてもなかなか減少しません。
心囊水と心臓の中身は胸部エックス線では区別がつきません。
心囊水のせいで心胸比は大きくなります。ドライウェイト減量では解決できません。
心胸比がなかなか下がらない場合はやはり心臓エコーできちんと中身をチェックする必要があると改めて実感しました。
心臓エコーで心臓や血管の中がパンパンにたまっている場合はドライウェイトを減量した方がいいですね。