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院長の臨床メモcolumn

2021.05.15

加古川腎性貧血の研究会

本日午後、腎性貧血の研究会の司会を行ってきました。

〇地域におけるCKD診療の取り組み

・DKDのステージごとの治療方針

・尿毒素と慢性腎臓病、心血管イベント

→尿毒素の貯留により炎症性サイトカインが産生され、炎症惹起し、血管石灰、動脈硬化の危険性、腎炎、腎線維化を促進

→治療法として、クレメジンがある

・クレメジンはステージ4程度から開始。末期腎不全や生存率抑制では有意差はなかったが、GFR低下など腎機能進行速度を抑制する可能性がある。

 

・腸腎連関

→腸内での尿毒素によりCKDにおける炎症や繊維化が促進される。

・CKDステージ4,5における酸化マグネシウムでの血管石灰化抑制効果

→有意に投与したほうが石灰化促進が抑制されている。Mg濃度も2.0→2.3と軽度の上昇のみ。

 

〇新しい腎性貧血の治療戦略の講演

・腎性貧血の頻度:CKDステージ3bで18%、ステージ4で40%、ステージ5で60%

しかし、ESA使用率はそれぞれのステージで0.7%、7.9%、22.5%と低い

・CKDではHb10未満でCVDリスク上昇。

・一方で、Hb高濃度でもCVDリスクは高く、高ESA量でもCVDリスクが高い。

・鉄代謝の説明

→TSATにかかわらず、鉄が低いと、貧血のリスクが上昇する

・HIF-PH阻害薬について

→年齢、性別、栄養状態、Hb、GFR値、CRPにかかわらず、投与量は安定。

→投与後MCV上昇し、赤血球の質も向上する可能性がある。

・バフセオ®の治験やご経験のご説明