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院長の臨床メモcolumn

2018.12.19

インフルエンザの薬

2000年にリレンザが発売され、その後タミフル、2010年にはラピアクタ、イナビルが続々と発売されました。

今年5種類目のゾフルーザというインフルエンザの薬が発売されました。

ゾフルーザはこれまでの薬と異なり、細胞内でのインフルエンザウィルスの増殖を抑えるものです。

ニューイングランドジャーナルという世界でも有数の論文では、タミフルと比べてウィルス排出速度が1日早く消失すると言う報告がありました。

これは、患者さんの自覚症状も、楽になるのが早くなるなどの効果が期待されます。

しかし、一方で、ゾフルーザは成人で、A型のH1N1 2.2%、H3N2 9.7%、小児でH3N2で約23%に変異が認められるという報告がされています。

これは、今後、インフルエンザA型での変異・耐性ができやすく非常に心配されるところです。

ただ、B型に関しては報告がなく、一般的にはB型自体がA型よりも治る期間が約1日遅く、症状も強いことから、ゾフルーザはインフルエンザB型ウィルスにとっては非常に有用になるかもしれません。

インフルエンザも流行期に入りましたね。

現在のところ、A型が中心とされています。

幸い、加古川市は今のところ流行レベルには達していません。